ブログテーマ一覧 > Arcadiaのウェディングよもやま話 > お父さ〜ん!!(笑)
2015/2/1 お父さ〜ん!!(笑)
こんにちは!
「2人にしかできない」
「ユニークでオリジナルな」
新しい結婚式を提案する、アーケイディア代表・森川さおりです。
以前、司会をさせて頂いたお客様で、新婦が切り絵作家をされている、という方がいらっしゃいました。
職業柄、和のものが大好きな新婦。
お二人の披露宴の会場として選ばれたのも、もちろん、庭園の美しい、和の会場でした。
お料理も和会席。
テーブルコーディネートにも自身の切り絵作品をあしらわれるなど、とてもこだわりをもって開かれた披露宴でした。
しかし、お二人には、当日まで、拭い去れない心配事があったのす!!
それは、披露宴のお開きの時間。
こちらの会場さんは、和会席は品数も多く、お座敷へのサービスは時間もかかるため(しかもスタッフは和服)、披露宴時間を三時間に設定されています。
お二人がそれを途中までご存知ではなかったことと、そのほかの様々な条件が重なってしまい、二次会が披露宴お開き予定の1時間後になってしまったのです。
二次会には人数の都合で披露宴にお呼びできなかったお二人のご友人や、新婦が開いておられる切り絵教室の生徒さんがいらっしゃるそうです。
また、二次会の幹事さんが披露宴にも列席しているため、できるだけ早く移動していただけなければなりません。
披露宴会場から二次会の会場まではどれだけ頑張っても30分はかかります。
なので、司会打ち合わせの際に何よりも時間までに披露宴をお開きさせてほしい、何なら早く開いてもOK!というくらいの勢いでお願いされてしまいました。
しかし、蓋をあけてみると、進行もかなりぎゅうぎゅうで、早めにお開きするのはちょっと無理そう・・・・・(~_~;)
ここはとにかく、定刻でお開きを目指そう!ということになりました。
さて当日。
キャプテンも同じように時間厳守を言い渡されていたため、しっかりと打ち合わせをしました。
これが功を奏したのか、披露宴は時間どおりに進んでいきました。
そして、お開き予定時間の10分前。
いよいよお開きに向けてのラストのセレモニーに入っていきました。
新婦がご両親に手紙を読まれ、その後、新郎新婦からご両親に記念品が手渡されます。
新婦が、「今まで父を嫌だと思ったことがないんです。反抗期?母には反抗したけど、父に対してはなかったですね。パパ大好き娘なんです、私」と言っておられたお父様に向けて選ばれた記念品は、
「娘 命」
とオリジナルラベルが貼られた地酒の一升瓶でした。
受け取られたお父様、一瞬「???」という表情をされましたが、その後、満面の笑みで列席の皆様にそのラベルが見えるよう、高々と一升瓶を持ち上げられました。
お客様からは、「おお~」という歓声とともに暖かい拍手が。
本当に和やかなムードの中、最後の進行、ご両家からのお礼のご挨拶になりました。
両家代表謝辞となると新郎家のお父様のみ、というのが一番多いパターンですが、この日は新婦家のお父様からもご挨拶を頂くことになっていました。
予定時間まであと5分。
新婦様のお父様がゆっくりと話し始められました。
ばっちりの時間じゃん!!!
思わずキャプテンと目配せをして、よっしゃ!!と小さなガッツポーズをした私。
しかし、そうは問屋が卸しませんでした・・・・・
お父様、なんとそこから延々スピーチを続けられたのです!!
お話の内容は、新婦が生まれた時のことから始まり、初めて笑った時のこと、初めてパパと呼んでくれたときのこと、初めて好きな男の子ができた、と聞いて複雑な思いをされたときのこと・・・・
時に感動的に、時におかしく、いろいろなエピソードを交えながら娘に対する思いを語られるお父様。
そうです。
お父様、本当にお話が上手なんです!!
一部を除くお客様は、笑ったり涙ぐんだりしながら、お話に聞き入ってらっしゃいます。
一部の方・・・・・それはもちろん、二次会の幹事さんと新郎新婦のお二人です!!(爆)
ちらっとキャプテンを見ると、小声で「どうしようもないよ」と言うので、私もそのまま、お父様のお話に聞き入っていました。
そして、予定時刻を20分過ぎたところで、お父様のご挨拶は締められました。
つまり、約25分の謝辞だったことになります。
私の司会人生の中で、いまだ塗り替えられぬ最長記録です(笑)。
でも、最初は時間を気にしておられた新郎新婦や幹事さんも、ラストには涙を浮かべて大きな拍手を送ってらっしゃいました。
それほど、感動的なスピーチだったんです。
お開き後、とにかく急いで二次会の会場に行かなければけない、ということで、新郎新婦は列席の方を見送られた後すぐにタクシーに乗ってしまわれたので、私はご挨拶をすることができませんでした。
また後日、お電話でもしよう、と帰りの電車に乗り込みました。
その電車の中で、新婦からの留守電メッセージが入っていました。
「まさか父がジョーカーだったとは思いもしませんでした(笑)。
でも父の気持ちが聞けて嬉しかった。本当に愛されているんだな、って実感しました。
二次会のお客様には事情を話して遅刻したことを謝ろうと思ってます。
スタッフの方々にもいろいろとご迷惑をかけてしまったけど、いい披露宴でした。
ありがとうございました!」
父の、娘への愛情がいっぱい詰まった、ステキな披露宴でした。
これから結婚される皆様が(もう結婚されている方も)、
どうぞ記憶に残る素晴らしい結婚式を迎えられますように!